役に立つオモシロ医学論文

マスクを着用しながらの運動は安全なのか 米国で論文報告

写真はイメージ

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、スポーツジムやフィットネスクラブでは、マスクの着用を義務付けている施設もあるようです。マスクを着用しての運動は、そのパフォーマンスを低下させる可能性も報告されていますが、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルの電子版に、運動時のマスク着用と、その安全性に関する論文が2021年6月30日付で掲載されました。

 この研究では、女性9人(平均35歳)、男性11人(同39歳)の健常者が対象となり、「マスク着用なし」「微細な粒子でも吸入を防ぐことができるN95マスクの着用」「一般的な布製マスクの着用」という3つの条件で、ランニングマシンによる運動を行っています。運動は段階的に負荷を強め、被験者が疲労を感じるまで行われ、最大酸素摂取量や心拍数、運動時における呼吸抵抗感などが比較されました。なお、呼吸抵抗感は0~10点で評価され、点数が高いほど抵抗が強いことを意味します。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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