ワクチン接種後の死亡事例が1093例と厚労省が最新報告 前回から174例増

ワクチン接種をする医療従事者
ワクチン接種をする医療従事者(C)ロイター

 新型コロナワクチン接種後に死亡した事例が8月20日までに1093例にのぼることがわかった。25日開催の新型コロナワクチンの副反応を検討する専門家の合同部会に厚労省が報告した。8月4日の前回報告では919例で、174例増えたことになる。

 1093例の内訳は、米ファイザー社製ワクチン接種後に死亡した1077例、米モデルナ社製ワクチン16例。2月17日から接種がスタートしたファイザー社製は8月8日までに991例、9日から20日までにさらに86例の死亡事例報告があった。

 5月22日から接種が始まった米モデルナ社製は8日までに11例、9日から20日までに新たに5例が報告された。

 専門家の評価は、米ファイザー社製が8日までの991件を対象に行われ、因果関係評価αβγのうち「α」(ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの)0例、「β」(ワクチンと死亡との因果関係が認められないもの)5例、「γ」(情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの)986例。米モデルナ社製は8日までの11例について行われ、いずれも「γ」だった。

■ファイザー社製死亡事例は65歳以上が大半

 ファイザー社製ワクチン接種後の死亡事例991例を年齢別に見ると、65歳以上が913例、65歳未満が69例、年齢記載なし9例。死因は心不全94例(うち65歳未満5例)、虚血性心疾患87例(同6例)、肺炎77例(同0例)、出血性脳卒中73例(同15例)、大動脈疾患46例(同3例)、虚血性脳卒中39例(同3例)、老衰25例(同0例)、敗血症24例(同0例)、不整脈23例(同5例)、窒息18例(同1例)、呼吸不全15例(同1例)、溺死14例(同1例)、静脈血栓症13例(同2例)、間質性肺疾患11例(同0例)、多臓器機能不全症候群10例(同0例)、不明228例(同14例)など。

 モデルナ社製接種後の死亡事例11例を年齢別に見ると、65歳以上3例、65歳未満8例。死因は出血性脳卒中2例(うち65歳未満1例)、心不全1例(同1例)、大動脈疾患1例(同1例)、肺炎1例(同1例)、敗血症1例(同1例)、虚血性心疾患1例(同0例)、脳血腫1例(同0例)、不明3例(同2例)だった。

■医療機関が「関連あり」とした副反応1万3504件

 また、8月8日現在で予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告数は2万2056件(ファイザー社製2万492件、モデルナ社製1564件)、うち重症報告数は3767件(ファイザー社製3689件、モデルナ社製178件)だった。このうち医療機関がワクチン接種と関連ありとした報告件数は、副反応疑いが1万3504件(ファイザー社製1万2841件、モデルナ社製663件)、重篤報告数は1844件(ファイザー社製1741件、モデルナ社製103件)だった。

 推定接種回数はファイザー社製9065万1661回、モデルナ社製1226万1354回。医療機関が報告したアナフィラキシーは2171件(ファイザー社製2011件、モデルナ社製160件)となった。

 医療機関からの副反応疑い報告件数における性別はファイザー社製が男性4611件(うち重篤1195件)、女性1万5832件(同2485件)、不明49件(同9件)で、モデルナ社製が男性619件(同85件)、女性940件(93件)、不明5件(0件)だった。

 副反応疑いを年齢別に見ると、ファイザー社製は40~49歳の4697件が最も多く、30~39歳の3723件、20~29歳の3163件が続いた。一方、モデルナ社製は20~29歳の526件が最も多く、30~39歳の263件、40~49歳の238件となった。

 重篤報告数は多い順にファイザー社製は80歳以上1080件、70~79歳623件、40~49歳503件、モデルナ社製は20~29歳44件、30~39歳33件、50~59歳30件だった。

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