新型コロナ 重症化を防ぐ最新知識

子供とその親世代のコロナ感染が急増する今こそ学校を再開し議論を 公衆衛生の専門医が提言

感染防止のため前後左右を空けて着席する児童(C)共同通信社

 とはいえ、感染力の強いデルタ株の前では従来の感染対策は役に立たないのではないか。

「私はそうは思いません。感染力が強いからといって感染経路が変わったわけではありません」

 感染力が強力なデルタ株に感染した人はより早い時期により多くのウイルスを吐き出し、他人を感染させやすいといわれる。依然として感染リスクが高いのは飛沫やエアロゾルを共有する3密(密閉空間、密集場所、密接場面)や、マスクを外して飛沫が飛びやすくなる調理・飲食の場で感染予防策が徹底されていないことが問題だ。

「日本ではすでにエアロゾル対策という形で実質的な“空気感染”対策は進めてきましたが、空気感染対策の基本は換気というより正確にはウイルスの拡散と空間からの排出です。密閉空間ではなくても、風上に感染している人がいれば風下の人は感染するリスクがあります。デルタ株が登場したからといって感染経路が変わったわけではないので、きちんと感染予防策を徹底すればそれなりに感染を制御できるはずです」

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