認知症を予防する補聴器のすべて

補聴器をしたままお風呂に…という連絡に思わず「やった!」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「何歳ぐらいから補聴器をつけたらいいのでしょうか?」

 こんな質問をよく受けます。私の答えは「聞こえづらさを感じたら耳鼻咽喉科の補聴器相談医か、認定補聴器技能者のいる補聴器販売店に相談してみてください。そしてぜひ補聴器をつけた生活を始めてください」です。

 これは年齢に関係なく40~50代でも同じです。比較的若く、補聴器を始められた方がいます。

 それは、私が補聴器の仕事に携わって間もない頃。その方は高校生の息子さんを持つ50代の女性でした。衣料品の量販店で働いていて、仕事中にインカムによる指示が聞きづらく苦労されていました。また、反抗期真っ最中の高校生の息子さんの「ボソッと発した言葉も聞き取れない」と、どうやって向き合えばいいか、悩んでおられました。

 補聴器をつけてからの最初の1カ月は、補聴器をスムーズにつける練習を私と一緒に繰り返す日々。「不器用で、耳の穴がどこか分からない」「いつも補聴器をつけると違和感がある」と不安に駆られながら過ごされていました。

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田中智子

田中智子

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

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