最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

患者さんの生活を丸ごと面倒見たい…スタッフに求められる気持ち

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 在宅診療のスタッフに求められる資質、それはズバリ「患者さんの生活すべてを丸ごと面倒見たい」という気持ちです。

 当院では今年1月から8月末までにのべ56回にわたって求人希望者の面接を行ってきましたが、その時に必ず聞くのが「なぜ在宅医療を選んだのか」ということです。

 医師であれば、病院での勤務の中で感じた限界や、病院と在宅医療両方を経験することで患者さんを包括的に支えられるという思いを持つ先生もいらっしゃいます。また医療従事者や事務スタッフであれば、家族や身近な人との経験の中で感じたことを動機理由として話していただける方も。

 私たちが大事にしているのは、本や記事で見た言葉でなく、自分の体験を具体的に、自分の言葉で語れるか。大前提として「自宅だからこそ、患者さんが自分らしく過ごせる」という価値観を共有しているか。その価値観のもとに「そのためなら何でもやる」という姿勢を持っているか。これらを見極めるようにしています。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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