役に立つオモシロ医学論文

長時間のリモートワークは健康に悪影響を与える? 日本人対象の研究

写真はイメージ

 平均で7.7年間にわたる追跡調査の結果、死亡リスクは1日の座位時間が5時間未満と比べて、7~9時間未満で20%、9時間以上で54%、統計的にも有意に増加しました。特に高血圧や糖尿病、脂質異常症の人ではリスクが増加していました。

 また、死亡リスクの増加は、余暇時間の運動量が多い人ほど減少する傾向にありましたが、運動量が最も多い集団でも、座位時間が2時間増えるごとに死亡リスクが13%増加しました。 

 座位時間が長いことによる死亡リスクの増加は、余暇時間に運動を積極的に行ったとしても、十分には抑制されない可能性が示されています。座位姿勢をこまめに中断しながら、適度に体を動かすことが大切かもしれません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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