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アレルギー性皮膚疾患(薬疹)使い始めの薬で起こりやすい

写真はイメージ

 原因となる薬が長期服用、多剤服用をしていると、私たちも原因を突き止めることが難しくなります。疑わしい薬を中止して薬疹が引けば、その薬が一番怪しいのですが、実際には多数の薬を内服している人が多いのでどれが原因か分かりにくいのです。治った後に採血のアレルギーテストやパッチテストなどを試みても陽性にならず、この薬が原因ですとはっきり言えないケースも多々あります。

 また、「なぜ薬疹になるの?」とよく聞かれます。簡単に言うと免疫の暴走です。私たちの体には免疫システムがあり、多くの病原体から体を守っています。しかし、何らかの原因で免疫システムが暴走し、薬疹になるのではないかと考えられています。

 薬剤をやめたりステロイドの外用で治れば軽症ですが、重症になるとスティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症といって、全身が真っ赤になり、皮がむけ、痛みも伴うようになります。この疾患は国の難病にも指定されており、命を脅かすほど重症化したり、目に障害が出て失明することも。私たち皮膚科医は薬疹で目が真っ赤に腫れている患者さんがいたら、必ず眼科の先生にも診てもらいます。

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葉山惟大

葉山惟大

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