最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

「どんな患者も」「どんなケアも」「どんな仕事も」を日々実践

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 おかげさまで、あけぼの診療所は開業以来、たくさんの利用者の支持を得て、5年前の開業当初は月90人程度だった患者さんも、今では500人ほどになっています。ひとえに、これからの在宅医療の理想のカタチとして日々私たちが実践する「どんな患者さんも断らない」「可能ならば患者さんが望むどんなケアも行う」「どんな慣れない仕事も現場で学びながら行う」の3つの“どんな”が患者さんやご家族の支持を広く得た結果だと考えています。

 日頃から心掛けているのは、在宅医療は社会の最後のセーフティーネットであるということ。そのためにさまざまな事情を抱えた患者さんを私たちはお世話しています。時に他の病院から拒否された患者さんもいます。他人との関わりを避けて心を閉ざした方もいます。

 そんな患者さんに対しても、我慢強く知恵を出し合い、問題を共有し、最終的には患者さんに納得してもらえるよう、ベストの方法を導き出せるように努力を続ける。そういう意味では在宅医療はさまざまな事態に柔軟に対応する現場主義の医療と言えるでしょう。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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