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9.11とコロナをつなぐスパイク・リー作品4部作放映中

ニューヨーク9/11メモリアルサイトにあるサウスプールに映る花(C)ロイター

 例えば9.11直後、当時の環境保護庁長官がグラウンドゼロの大気は安全とする発言をしたために、救助復旧に当たった多くの人が呼吸器疾患やがんになるという悲劇があったこと。トランプ前大統領とクオモ前NY州知事のエゴのためにコロナに関する重要な情報が伝達されず、多くの人が無駄に命を落としたこと。こうした政治家の堕落した態度によって政府への信頼が失われ、その結果、9.11やコロナワクチンなどに関するさまざまな陰謀論が蔓延する結果になったことも浮き彫りにされていきます。

 ところでその9.11の陰謀論に関しては、リー監督が世論の圧力によりその部分を削除せざるを得なかったという報道もされ、論争になっています。日本での公開は未定のようですが、ぜひお勧めしたい作品です。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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