独白 愉快な“病人”たち

アナウンサーの濱中博久さん 心筋梗塞の手術から回復まで

濱中博久さん(提供写真)

 もう大丈夫――そう思っていた昨年秋、いつものようにウオーキングに出ると、なんとなく胸の真ん中が重く感じました。圧迫されるような違和感です。歩くのをやめると症状は消え、歩きだしてしばらくするとまた違和感がくる。その規則性にピンときて、長年診ていただいている血圧の先生のところへ行って「心臓に問題が?」と質問すると、「おっしゃる通り。狭心症の症状です」と言われ、検査で確定診断されました。

 ただ、その時点では緊迫性はなく、処方されたのは発作時に使うニトログリセリン舌下錠でした。舌裏には太い静脈があり、ニトロはそこから吸収されて冠動脈が急速に広がって楽になるのです。狭心症の人にとってはごく普通の薬で、私もそれを持ち歩くようになりました。

 そのとき、医師から「年齢から考えて、いずれステント(血管を広げる網目状の筒)を入れる手術をした方がいいね」との話がありました。私はあまり乗り気ではなかったのですが、とりあえず心臓専門病院へ行って「来年の2月ぐらいにもう一度相談しましょうか」と、ざっくり話をしました。

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