独白 愉快な“病人”たち

アナウンサーの濱中博久さん 心筋梗塞の手術から回復まで

濱中博久さん(提供写真)

 ところが、その年末から狭心症の症状がまったく出なくなったのです。「治ったんじゃない?」と思いました。相談していた先生にも「手術はしなくていいのでは?」と話してみました。すると、こう返されたのです。

「症状が出なくなる人はときどきいます。でも冠動脈の狭窄が自然治癒することはあり得ません。濱中さんの血管の状態は全体的に悪い。現状は、血管が詰まることを遅らせているだけで、良い方向に向かっているわけではない。服薬だけで案外長く無事に過ごせる可能性もあります。しかし、徐々に悪化することは間違いないし、次に私のところに来るときは、救急車かもしれないですよ」

 それを聞いても「症状がないのだから服薬だけでいけるだろう」と楽観した私は、手術を白紙にして、それを家族や友人に話しました。すると、なんと全員が私の楽観を戒め、手術を勧めたのです。

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