独白 愉快な“病人”たち

アナウンサーの濱中博久さん 心筋梗塞の手術から回復まで

濱中博久さん(提供写真)

 仰天しつつも、痛くも苦しくもない状態で救急車はためらってしまい、タクシーと電車で病院まで行きました。すると、すでにドクターたちがスタンバっていて、「遅かったですね」と言われるわ、すぐに処置室に運ばれるわ、「家族を呼んで」と言われて慌てるわで、今思うとまるでドタバタ喜劇です。

 心臓の状態は、3本ある太い冠動脈の1本が髪の毛ほどの隙間しかなく、心筋の壊死が始まっていてもおかしくないきわめて危険な状態でした。すぐにステントを血管内に入れる手術を受け、アッという間に血流が回復して、3日間ほどで退院できました。

 幸い私は大事に至る寸前で治療を受けることができ命拾いしましたが、自分は健康意識が高いので大丈夫という思い込みは完全に打ち砕かれ、血管の劣化が進んでいるという事実。どんなに気をつけていても、こういうことは起こるのです。寿命は個体差ですし、弱点となる体のパーツも人それぞれ。なるべく自分の弱点パーツを長持ちさせるようにするしかありません。

5 / 6 ページ

関連記事