血圧が気になる人は塩分の摂取を控えめにしている方も多いでしょう。実際、塩分の摂取が多い人では血圧の高い人が多く、高血圧症の合併症である心臓病や脳卒中のリスクも高まります。
一方で、減塩によって、どれだけ心臓病や脳卒中が予防できるのかについては十分な検証がなされていませんでした。そんな中、減塩がもたらし得る健康への有益な影響を検証した研究論文が世界的にも有名な医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の電子版に2021年8月29日付で掲載されました。
この研究では、中国の農村部(600村)に居住している2万995人(平均65.4歳、女性49.5%、88.4%が高血圧の診断、72.6%が脳卒中を過去に経験)が対象となっています。
被験者は通常の塩の代わりに代用塩(塩化ナトリウム75%、塩化カリウム25%)を使用する群と、通常の塩(塩化ナトリウム100%)を使用する群に村単位でランダムに振り分けられ、2つの群で脳卒中の発症率が比較されました。
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