科学が証明!ストレス解消法

缶ビールを1~2本飲むとクリエーティブ能力が高まる

ほどよく楽しむことがポイント

 通常、脳のワーキングメモリーは必要な情報と必要ではない情報を取捨選択しています。アルコールを摂取するとその働きが鈍って、普段は捨てられてしまう情報が拾われるようになるため、これまでになかったような情報の組み合わせ、つまり新しい考えが得られるといわれています。ほどよいアルコール摂取(缶ビール1~2本くらい)は、クリエーティブ能力を高めるというわけです。

 ただし、やけ酒は厳禁。イヤな出来事があると、それを忘れるためについついアルコールに頼りたくなりますが、実はこれ、逆効果なのです。これを裏付けるのが、東京大学大学院薬学系研究所の野村・松木の「やけ酒をするとイヤな記憶や気持ちがかえって強くなる」という研究結果(2008年)です。

 お酒を飲むと楽しくなって気持ちもふわふわしてきますが、飲み続けるとそうとは限りません。研究では、ネズミに電気ショックを与え、アルコールを注射し、どういう行動になるかを調べました。すると、ネズミは電気ショックについて忘れるどころか、電気ショックの恐怖を強め、臆病になってしまった……。つまりイヤな記憶が強化されてしまったのです。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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