コロナ禍で薬の長期処方が増加 高齢者の「ポリファーマシー」には要注意

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■薬の管理ができなくなって…

 対面診療では、医師が適切な薬を正しくきちんと飲んでいるかをチェックして、服薬指導も実施する。しかし、そうした機会が少なくなると、薬の管理を患者自身に任せることになる。

「服用する薬の種類と数が増えれば増えるほど、管理が難しくなります。たとえば、A薬は朝、昼、晩の食後に1錠ずつ、B薬は朝と晩の食後に1錠ずつ、C薬は朝だけ食前に2錠……といった状態になると、把握するだけでも大変で、飲み忘れや取り違える可能性が高くなる。認知機能が衰えてくる高齢者であればなおさらです。また、いっぺんに10錠近い薬を飲むとなった場合、それだけで服薬に対するモチベーションが低下してしまいます。飲まなきゃいけないとは分かっていても、どうしても飲む気になれない。そのうち、服薬を中断してしまう人もいるのです」

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