Dr.中川 がんサバイバーの知恵

ワクチンの積極的勧奨再開へ…子宮頸がん検診が20歳で始まる意味

子宮頸がん検診は20歳から2年に1回の受診がのぞましい(C)日刊ゲンダイ

 困ったことに、子宮頚がん検診の受診率は低く、4割ほど。8割を超える米国やドイツのほぼ半分です。そこにワクチン接種の事実上停止が8年間続き、昨年からはコロナ禍の拡大で受診控えも重なりました。ワクチンを接種していない人、検診を控えている人の間で、子宮頚がんが増えないか問題です。

 子宮頚がん検診は2年に1回ですから、昨年受診していない人は今年必ず受けること。娘のワクチン接種を見合わせた親は、すぐに接種を検討すべきでしょう。

 女性の30代、40代は、出産や育児など重要なライフイベントが目白押しで、会社でも重要なポストにいます。パートナーとして、同僚として、男性も無関係ではありません。子供や孫が娘なら、ワクチン接種をしっかりと促し、「成人したら、子宮頚がん検診を」と教えて損はないでしょう。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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