最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

大学病院からの患者さん紹介がこの3年で7倍に増加した理由

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 その際に患者さんの要望ももちろん聞きますが、「この病状だとこのクリニックがよい」「この人は落ち着いているから、ゆったり話を聞いてくれる先生がいるあのクリニックにしよう」「この人は医療依存度が高いから、しっかりした体制が整っているあの診療所にしよう」といった具合に、より一歩踏み込んで、その患者さんのパーソナリティーに合った最適な診療所を選定しようと努めるなど、いわばコーディネーター的な役割も担っています。

 最近では私たちの診療姿勢を理解し、信頼を寄せてもらえる病院も現れました。

 特にそんな病院からは、残された時間が少なく自宅に帰るタイミングの限られた患者さんを紹介されることが多く、中には最短30分で対応する「即時対応」のケースもあり、患者さんの「最期は自宅で」という思いを、少しでも早くかなえることのできる医療連携も育ち始めています。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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