秒速薬膳でアッという間に健康に

うなぎの「強筋骨」作用とピーマンの血流アップで筋肉痛を改善

うなピーマン
うなピーマン(提供写真)

 コロナ禍の外出控えで運動不足。少しずつ涼しくなってきたので、いざジョギングしてみたものの、翌々日にひどい筋肉痛に……。薬膳で痛みを和らげ、スポーツの秋に向けて筋肉を鍛えていきましょう。

 筋肉と関わりが深いのが、中医学で「肝」と呼ばれる臓器です。つらい筋肉痛を一刻も早く解消するには、肝のパワーをアップしながら筋肉を力づける食材を取り入れることがポイントになります。

 おすすめはうなぎとタコ。なんといってもこの2つの効能は、中医学用語で「強筋骨」! なんとも強そうで頼もしい言葉通り、弱った筋肉をパワーアップして疲労回復、足腰の痛みに効果的。さらには骨も強化するという、まさに肉体疲労時には究極のお助けシーフードなのです。

 うなぎは「気」を補いスタミナを強化する作用もバツグン。うなぎというと「お高い」イメージがありますが、「そのままのせて、うな丼」ではなく、刻んでごはんに混ぜたり、野菜と組み合わせてサラダにしたり、炒めたりすれば、家計にやさしく筋肉増強が実現します。タコは疲労回復に関わりの深い臓器「脾」の働きを高め、人間のエネルギー源である「気」を補い、さらに全身に栄養を与える「血」も増やす作用があります。スポーツでくたびれた体全体を、しっかり癒やしてくれる働きがあるのです。

 肉なら、手羽先がおすすめ。薬膳では、肉は部位ごとに異なる効能があるとしています。弱った筋肉をしっかり強化してくれるのは「手羽先」の部分。腰痛の改善にも役立ちます。また、フルーツではココナツとブドウが筋肉痛の味方。この2つも「強筋骨」作用があるのです。ナタデココ、レーズンなどで手軽に取り入れてみましょう。

 これらの筋肉痛対策を行ったうえで、さらに回復のスピードを速めるならば、血の巡りをよくする食材を取り入れるといいでしょう。血流をアップすることで、筋肉のこりや疲労が和らぐのです。血行を促進する効果が高い、ピーマン、タマネギ、黒キクラゲ、パプリカ、チンゲンサイ、ニラなどを取り入れるのがおすすめです。

 ちなみに筋肉痛改善によい食材は、運動時のパフォーマンスをアップする「アスリートパワー」の効果もあります。マラソン大会やゴルフの前にもぜひどうぞ。

■筋肉痛改善薬膳レシピ

うなピーマン

 強筋骨パワー絶大なうなぎと血流をアップして筋肉のこりや疲労を和らげるピーマンを組み合わせた薬膳レシピ。

 ピーマンのほろ苦い風味とシャキシャキ食感がうなぎのかば焼きにマッチ。ビールや焼酎のおつまみにもおすすめです。味が足りない時は、かば焼きに添付されたタレをプラスして。

【材料】
●うなぎのかば焼き(大) 2分の1尾
●ピーマン 2個
●白すりごま 大さじ1
●レモン汁 適量

【作り方】
 うなぎのかば焼きは1センチ幅に切る。ピーマンは縦半分に切ってへたと種をとり、横にして繊維を断ち切るように細切りにする。うなぎとピーマンを合わせて、白すりごま、レモン汁を加えて全体をあえる。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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