病気を近づけない体のメンテナンス

脳<上>「ポジティブ・シンキング」で脳神経細胞への悪玉ストレスを減らす

写真はイメージ

 一方、「やりがい」や「楽しみ」を感じる善玉ストレスは、副交感神経が活発に働いて血管を拡張し、体をリラックスさせる作用があるので脳も含めた血の巡りが良くなる。つまり、ストレスとのつきあい方で大事なのは、悪玉ストレスを減らし、善玉ストレスを増やすことになる。

 悪玉ストレスには、死別や災害など、人の力ではどうにもならないことも多くある。そんな場合でも、気持ちを奮い立たせて意識的に善玉ストレスを増やすようにすれば悪玉ストレスの影響を緩和できる。

 また、ストレスの中には、仕事上のノルマや運動の勝敗やレベルアップなど、善玉ストレスにも悪玉ストレスにもなり得るものも少なくない。どう対処すればいいのか。

■ひとつのことに没頭する

「そうした場合は、自らの力で善玉ストレスに変えることができます。大切なのは気持ちの持ちよう=気構えで、『ポジティブ・シンキング』です。仕事でも『ノルマを達成するぞ』『大きな契約を取るぞ』と前向きに頑張っている人は、善玉ストレスが優位になります。逆に『ノルマが達成できなかったらどうしよう』『契約が取れなかったら上司が怖い』などと、ネガティブなことばかりを考えていたら、悪玉ストレスが優位になります。たとえうまくいかなくても『ピンチはチャンス』と切り替え、再び前を向けば善玉ストレスが増えます」

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