以前、肺がんが大動脈に浸潤していた患者さんの手術を実施したことがあります。肺がんに対しては担当の外科医が肺の切除を行い、私はがんが食い込んでいた大動脈を人工血管に交換する処置をしました。
このように内科も外科も含め、がん専門医はがんだけを、循環器内科医や心臓血管外科医は心臓疾患を専門的に診ればいいという時代ではなくなってきています。がんと心臓疾患の両方に詳しい医師の育成を進めながら、同時にがん専門科と循環器科の連携体制をしっかり整備すべきです。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」