親の傾聴と共感が「8050問題」の解決につながる 専門家が指摘

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「『いい年をして、何を甘えたことを言っているのか』と批判する人も多いでしょう。しかし、健康な人には正論でも、心に行き詰まりを抱えた方にはそれが通用しません。最良の特効薬が、親の『傾聴』なのです」(最上氏=以下同)

 傾聴とは、相手の話にただひたすら耳を傾け、心で聴くこと。さえぎり・反論・評価をせず、最後まで言い切らせることだ。特に「家族の傾聴」は家族療法の中心的スキルであり、統合失調症やそううつ病の再発予防に高い医学的効果も実証されている。

「大人なのですから、まず本人自身に働きかけるのが本筋。けれど、現状100万人超といわれる我が国の引きこもりの半数以上が、社会とのつながりを持つ気すらないと答えている。こういった“本人拒否の壁”の場合の最終手段が“親だけ”に働きかけるアプローチで、それだけでも高い効果が期待されるのです」

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