親の傾聴と共感が「8050問題」の解決につながる 専門家が指摘

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 最上氏が重きを置くのは、親が子どもに対する「傾聴」と「共感」だ。前述の通り、親はただひたすら子どもの心に寄り添い、子どもの話に耳を傾け続ける。反論したくなることを子どもが言っても、黙って聴き、背後にある本音の気持ちを理解しようと努める。

 しかし、これはそう簡単ではない。長年こじれていたケースほど、子どもが親の変化に気付いても、すぐには信用しない。

「しかし何週間、何カ月間と粘り強く聴く姿勢を貫いていると、ある段階から子どもは安心し、本音の感情を徐々に出してきます。その積み重ねで『親に心から自分を受け入れてもらえた』と子どもが感じた時、問題行動は解決に向かっていく」

 子どもの年齢は関係ない。冒頭で触れたように8050問題においても、結果が出ている。

■本気の親の力には優秀なセラピストも及ばない

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