この患者さんは好奇心旺盛で、よく話される方でした。往診する医師やスタッフとの間でも心を開き遠慮なく話され、ご自分の病気の仕組み、輸血の際などには白血球の働きを細かく質問するなど、心を開き探求心旺盛に、楽しそうに会話していました。ある日のことです。
患者「こんなに急激に悪くなって、あと余命はどれくらい?」
医師「言っても大丈夫ですか?」
患者「お願いします」
医師「正直、今の悪い状態が続くと週単位かなと思います。でも、はっきりしたことは分からない」
患者「ご飯を食べられなくなると終わりですよね?」
医師「ひとつの目安にはなりますね」
こうして、この患者さんは在宅医療を開始して約1カ月ほどで旅立たれました。実際には予想より長く頑張って生活できたわけですが、「悪い予想が、良い方に外れましたね」とお話ししたところ、笑っていらっしゃいました。
最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと