独白 愉快な“病人”たち

放送作家・野々村友紀子さんが語る「ムズムズ脚症候群」との苦闘

野々村友紀子さん(C)日刊ゲンダイ

 症状が出るのは決まって夜です。人によって違うのですが、私は日中に出たことはありません。眠くなってベッドに入ると脚が重だるい感じになって、ジッとしていられなくなるのです。「虫が這うような」と表現する人もいますが、私は「とにかく脚を動かしたくて仕方がなくなる」のです。

 一度こうなると、もうどうにもなりません。眠いのに眠れない地獄の始まりです。

 手をグーにして膝をドン! ドン! と音がするくらいの強さでたたいたり、寝ながら脚を上げてキックし続けたり、ブラブラさせたり……そうしないといられないのです。一度、脚をガチャッと外して全部分解して付け直したいくらい。特に関節ですね。

 できることなら、膝を逆側にバキッと折りたいくらいの衝動が、体の奥から湧き上がってくるのです。

 対処法は、深夜にひとり、リビングでシャドーキックボクシングをすることが多いです。ひと暴れすると落ち着きます。でも早くても30分、長いと3~4時間。真っ暗な中、朝の4時までずっと暴れていたこともあります。そうやって暴れても、「ああ、ムズムズが治まった。よかった」と思って眠りにつくことはありません。ヘトヘトになって体力がゼロになって、気絶するように眠るのです。

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