■抗体カクテル療法も効果大
抗体カクテル療法(ロナプリーブ)の適用条件は、①50歳以上②50歳未満で基礎疾患がある人③酸素投与の必要がない人で、該当する入院患者に実施されている。
「これまで江戸川区内で70人以上にロナプリーブ投与を行い、再入院になった患者さんは1人だけしかいません。それも、退院して数日後に気持ち悪くなったと訴えて再入院となったケースで、肺炎症状が悪化したわけではありません。ロナプリーブは投与してすぐに効果が出るわけではなく長くて5日くらいかけて良くなっていきます。今後は入院ではなく往診でも投与できるような方向に進んでいます。ただし、投与数時間後に酸素飽和度が下がる患者さんが一定数いるので、まだ基本的には入院による投与が中心になるかもしれません」
酸素飽和度が95%を下回るなど低酸素血症を来している中等症~重症の入院患者の治療は、従来と同じく、サイトカインの暴走をコントロールしながら炎症を抑えるリウマチ治療薬の「トシリズマブ」(一般名)の投与が行われ、さらに抗ウイルス薬の「レムデシビル」(同)と、過剰な免疫反応を抑えるリウマチ治療薬の「バリシチニブ」(同)を使用する。