進化する糖尿病治療法

子供に頼れないから…老親が健康維持のためにやっていること

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「ウチの両親、私よりも健康で長生きする気がします」

 40代後半のAさんから、彼女のご両親のお話を聞きました。大阪で2人で暮らすご両親は、76歳(父)と73歳(母)。父親をT雄さん、母親をK子さんと呼びましょう。

 T雄さんは中学卒業後に就職し、就職先の会社から高校に通わせてもらったそうです。一方、K子さんは高校生の時に母親を心臓病で亡くし、父親と弟2人の4人暮らしに。家事一切を担い、農協に勤めながら短大の夜間部を卒業。

 Aさんによれば、彼女と2歳年下の弟が就職するまで、両親が自分のことにお金を使っているのをほとんど見たことがないそうです。当時はどこの家庭もそうだったかもしれませんね。Aさんは大学まで、弟さんは大学院まで進学しており、お父さんの給料だけでその学費を捻出するのは大変で、お母さんのK子さんは、早朝から深夜までミシンを使った内職をしていたといいます。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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