名医が答える病気と体の悩み

発熱がずっと続く…「不明熱」病院に行くべきタイミングは?

がん治療認定医の小島聡子氏(提供写真)

 次に悪性腫瘍。「悪性リンパ腫」や「腎臓がん」「肝臓がん」の初期症状として不明熱が出るケースがあります。血液検査のほか、超音波検査やCT検査などで判明します。感染症や悪性腫瘍に該当しない、3つ目の原因として膠原病、血管炎といった可能性があり、膠原病内科での診療を勧めています。たとえば「リウマチ性多発筋痛症」「全身性エリテマトーデス」や「多発血管炎」は微熱が続いて発覚するケースがあります。膠原病の患者さんは手のこわばり、顔のむくみといった症状も併発することがあります。そのほか、喉(甲状腺のあたり)の痛みを伴う発熱の場合は「亜急性甲状腺炎」も考えられます。

 発熱した場合は、まず新型コロナウイルスの抗原検査やPCR検査を行い、陰性であるのに原因不明の38度以上の熱を繰り返す場合は、検査が充実した病院へ紹介してもらうことをお勧めします。いつから、どのような症状があったか、何度の熱がいつ出たのか、記録しておきましょう。安易な抗生剤服用は推奨できません。特に、体のどこかに痛みなどの症状があれば早めに医療機関を受診してください。

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