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合意なくコンドームを外すのは違法 米カリフォルニアで法律が成立

写真はイメージ(C)PIXTA

 一方、ステルシングに関心が集まるきっかけとなったヒットドラマもあります。「アイ・メイ・デストロイ・ユー」というロンドンを舞台にレイプを題材にした作品で、先日、エミー賞で最優秀脚本賞を受賞しました。

 アレクサンドラさんは、ドラマの中でステルシングが取り上げられたことに背中を押されたと言っていましたが、こうした文化的要素の影響も小さくありません。

 そしてもうひとつ大きく関係しているのは、先週お伝えした通り、レイプも含めた妊娠に対する人工中絶を事実上全面的に禁じる厳しい法律がテキサスで施行されたことです。中絶をなくすための法律が必要なら、望まない妊娠を防ぎ女性の尊厳を守るこうした法も必要と考えるのが当然でしょう。

 しかし、保守政治家の票集めにも有効な妊娠中絶禁止は騒がれても、女性の健康と誇りを守るこのような法律が今後どこまで他の州で成立するかはわかりません。フェミニズムの国とされるアメリカでさえも女性の権利が一進一退を続ける中、アレクサンドラさんは「この法律で少しでもステルシングに対する意識が高まって欲しい」とコメントしています。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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