新型コロナ治療で使われるステロイド薬は早期に使うと逆効果 医師が解説

ステロイド薬のデキサメタゾン(C)Cadu Rolim/Fotoarena via ZUMA Press/共同通信イメージズ

 今回、特例承認された「ソトロビマブ」も同じく中和抗体を点滴投与する。対象は55歳以上で重症化リスクが高く、酸素投与を必要としない軽症または中等症の患者で、軽症者に使用できる2つ目の治療薬になる。まだ臨床現場では使用が始まっていないというが、海外の治験では、入院や死亡のリスクを79%減らす効果が確認されている。

「新型コロナウイルス感染症は、発症から約10日で体内に抗体がつくられることにより回復していきます。そのため、抗体ができるまでの間にいかに重症化を防ぐかが重要です。今回の承認で治療薬の選択肢が増えたことで、重症化する患者さんをさらに減らせることが期待できます」

■自宅療養でも服用できるが…

 こうした重症化を防ぐために使われる治療薬が出揃いつつある中、使い方についてあらためて注意喚起されているのがステロイド薬のデキサメタゾン(デカドロン=写真)だ。前述のように、肺炎が悪化して酸素投与が必要な「中等症Ⅱ」や、人工呼吸器をつけるような「重症」の患者に使用される。

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