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本当に聞こえていますか? 耳年齢チェックのウェブサイトに注目

年齢によって「聞こえている音」が違う
年齢によって「聞こえている音」が違う(C)日刊ゲンダイ

「子どもたちが聞こえると言っている『20代』の音が、私には聞こえない」

 あるTwitterの投稿をきっかけに、一気に話題となったのが、「耳年齢」を手軽に調べられるパナソニック補聴器のウェブサイトです。

 10段階の周波数の音が収録されていて、高音域のボタンには20代から60代の「耳年齢」の目安が記されています。加齢による聴力の低下は高音域から始まりますから、高い音が聞き取れないほど「耳年齢」が高い、つまり聞き取れない音がある可能性が考えられるわけです。

 加齢による聴力の低下はゆっくりと進むため、聞こえづらくなっていても自覚がありません。痛みなどもないので「困っていない」と思い込んでいる人もいます。しかし、知らず知らずのうちに周りから孤立しているかもしれません。耳鼻科でいきなり聴力をチェックするのに抵抗がある人は、補聴器メーカーなどが聴力を気軽にチェックできるサイトを公開しているので、それらを利用してはいかがでしょうか?

 前出のパナソニック補聴器のようなものもありますし、「みんなの聴脳力チェック」というAndroidのアプリでは、20文字の短音が再生され、その言葉を当てるクイズ形式でチェックできます。これは、音だけでなく言葉の聞き取り具合もチェックでき、さらに履歴を残せるスグレもの。

 また、私が代表を務める「うぐいす補聴器」では、10個の質問に答えることで、聞こえにくいと感じている方が、どのくらい日常生活に影響があるのかをチェックできる「難聴チェックシート」を、ホームページ上にアップしています。

 聴力は、視力のように数値で結果を理解できる人は少ないです。だから、客観的に自分や家族の聴力を認識できません。「視力が0.5だから眼鏡をかけよう」となるように、今後は聴力も、たとえば「平均聴力レベルが60デシベルだったから補聴器を検討した方がいいかも」といった状況になればいいなと考えています。

田中智子

田中智子

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

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