最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

小さな問題も徹底して対策する「KAIZEN」プロジェクト

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「KAIZEN」(改善)という言葉があります。主に製造業の生産現場で使われている言葉で、作業効率や安全性の確保を見直す活動のこと。世界でも注目されている言葉です。

 私たち「あけぼの診療所」でも、KAIZENプロジェクトをつくっています。ちょっとしたミスや思い違いから、重大な医療事故につながりかねない事案まで、全職員から上がる全ての報告や情報をプロジェクトメンバーのみが共有。対策を練り、具体的な改善策を見いだしていくのを目的にしています。

 ちなみに委員会の名前ですが、「医療問題改善委員会」などと重い漢字にあえてせず、「KAIZEN」としています。それは、たとえささいな内容でも気軽に報告できることを目指したからです。

 実際に上がってくる報告のほとんどは細かいもの。例えば、院内のコピー機を使用した際にリセットしていないために、次に使用した人が不要な分までコピーをしてしまう問題。これに関しては、ある程度の時間が経ったら、コピー機が自動的に初期設定に戻るように変更することで解決しました。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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