秒速薬膳でアッという間に健康に

たるみ改善にはカボチャ、キノコ、鶏肉、豆で「脾」を増強

おかずなめこ汁
おかずなめこ汁(提供写真)

 頬のラインのもたつき、開いた毛穴……。「たるみ」は老けて見える大きな原因。好感度が一気にダウンする“ブルドッグ顔”にならないためにも、薬膳でリフトアップに努めましょう。

 たるみに負けず、ぼやけた輪郭を持ち上げるためには、「脾」がポイントになります。脾は飲食物の消化、吸収をつかさどる臓器で、取り込んだ栄養を人間のエネルギー源である「気」に変えて全身に送る働きがあります。いわば、気を生み出す「生命力の要」ともいえる臓器です。

 脾には、皮膚や内臓を本来あるべき位置から下げないように維持する働きも。重力による下垂を食い止める機能があるのです。よって、この働きが衰えると顔のたるみが悪化します。さらに、体内では胃下垂、脱肛といった現象も起きやすくなってしまいます。

 また、脾が弱いタイプは水分代謝が悪く、むくみやすい傾向があります。長引くむくみも、たるみを助長させる一因です。脾は筋肉との関係も深いため、脾が弱ると筋力も弱まります。顔の筋肉の衰えによって、いよいよたるみが進行してしまうばかりか、下半身もたるみがちに……「下半身でぶ」化も加速してしまうのです。

 重力に負けずに「持ち上げる」ためには、とにかく脾のパワーをアップすることが大切です。おすすめはカボチャ。脾の機能をパワーアップするとともに、美肌効果が高く、とくにたるみには効果絶大。お腹を温めて、冷えの解消にも役立ちます。

 イモ類も速やかに脾の働きを高めます。ナガイモ、ジャガイモ、サトイモなどを積極的に取り入れるとよいでしょう。とくにナガイモは保湿効果が高く、アンチエイジングにもいいので、もたついた顔をすっきり上げるパワーが大。キノコ類も脾を力づけてしっかりとリフトアップする優れた働きがあります。

 また、脾の健康を維持するために欠かせないのが豆類です。新陳代謝を高める作用もあり、弾力のある肌づくりにおすすめです。肉類では鶏肉を。脾をサポートし、肌の活性化にも役立ちます。

 そのほか、ブロッコリー、卵、うずらの卵、栗、くるみ、リンゴ、ハチミツなどもたるみ撃退を期待できます。これらの食材は、いずれも疲労回復に役立ちます。シャープなフェースラインとパワフルな体をダブルで手に入れましょう。

■たるみ改善薬膳レシピ

 おかずなめこ汁

 脾の働きを強め、リフトアップに効果を発揮するカボチャ、キノコ、鶏肉、豆を組み合わせたレシピ。カップなめこ汁、焼き鳥缶、ゆで枝豆を使えば手軽に完成。

 カボチャの甘味と、つるんとしたなめこが好相性なおかず味噌汁です。

【材料】
●カップなめこ汁  2個
●カボチャの煮物  100グラム
●焼き鳥缶(70グラム)  2分の1缶
●枝豆  20粒

【作り方】
 カップなめこ汁にお湯を注ぎ、食べやすく切ったカボチャの煮物、さやから出した枝豆、焼き鳥を加えて全体を混ぜる。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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