「モルヌピラビルは、『RNAポリメラーゼ阻害薬』といわれるタイプの抗ウイルス薬です。ウイルスが侵入し、RNAを複製する際に必要なRNAポリメラーゼという酵素の働きを阻害することで、ウイルスの増殖を抑制します。抗インフルエンザ薬のアビガンと作用機序は同じで、モルヌピラビルももともとはインフルエンザ治療薬として開発が進められたものでした。新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスはいずれもRNAウイルスで、同じような過程で増殖します。そのため、ターゲットとするウイルスを変更して“転用開発”しやすいといえます」
■日々の生活の不安を解消できる
臨床試験の結果では、短期の検証で副作用も認められず、米国では年内にも緊急使用が承認される可能性が高まっている。そうなれば、新型コロナウイルスに対する初の経口治療薬となる。