Dr.中川 がんサバイバーの知恵

小倉智昭さんは肺に…膀胱がん転移 GC療法で50%縮小、10%消失

小倉智昭(C)日刊ゲンダイ

 膀胱がんが転移しやすいのは肺、リンパ節、肝臓、骨などで、抗がん剤治療には4種類を組み合わせるM-VAC療法と2種類を用いるGC療法があります。現在は、GC療法が主流。Gはゲムシタビン、Cはシスプラチンを表しています。

 どちらも点滴で投与。4週間を1コースとして繰り返し行います。まず1日目にゲムシタビン(約5時間)、2日目にシスプラチン(約9時間)を点滴し、8日目と15日目にゲムシタビンを点滴します(約1時間)。

 白血球や血小板が減少する骨髄抑制、食欲不振や吐き気などの消化器症状などの副作用があるため、4日目までは副作用を抑える点滴も必要です(約6時間)。一般にコースのはじめの1週間は入院で行い、週に1回の点滴となる8日目以降は体調がよければ外来でも治療できます。

 次のコースも、この繰り返しです。効果や副作用をチェックしながら、次のスタートを判断します。

2 / 3 ページ

中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

関連記事