のどが腫れて痛い、痰(たん)がからむ、せきが止まらない……。秋は一年で最ものどのトラブルが起きやすい季節なのです。薬膳でしっかりとケアしておきましょう。
呼吸器系をつかさどるのは中医学で「肺」と呼ばれる臓器です。
肺は呼吸によって大気中のきれいな気を吸い込み、汚れた気を排出する働きがあります。肺が弱るとのどの痛み、せき、痰といった症状を引き起こしやすくなってしまうのです。
とくに空気が乾燥する秋は要注意。肺は乾燥に弱く、その働きが低下することによって、のどのトラブルが起きやすくなります。もともと肺が弱い人は、てきめんに症状が悪化しがちです。肺が弱いタイプは普段から、のどが弱い、へんとうが腫れやすい、鼻の不調、アレルギー症状があるといった不調が見られます。
肺はデリケートな臓器です。ほかの臓器と違って外気に直結している分、すぐ外界の変化をキャッチします。季節の変わり目によく風邪をひく、環境が変わるとすぐ具合が悪くなるというのも、肺が弱いタイプの特徴です。思い当たる人は、この時期、万全の対策を図りましょう。
のどのトラブルを改善するには、肺の機能を高めて潤いを与える食材を取り入れることが大切です。
おすすめは、野菜では大根とレンコン。どちらもせきを鎮めて、のどの乾燥を防ぎ、腫れや痛みを解消する効果絶大な「食べるのど飴(あめ)フード」なのです。
フルーツでは、いまが旬の梨が効果大。痰のからみ、空ぜき、のどの痛み、炎症など、のどのトラブル全般にバツグンの威力を発揮してくれる「のどの守護神フルーツ」です。
そのほか、牛乳、ヨーグルト、チーズものどの痛みをやわらげる作用があります。
また、ぜひ取り入れていただきたいのがハチミツ。のどの腫れや炎症を鎮め、殺菌効果が高い、「のど飴食材」です。
のどの痛みがひどいときには「大根ハチミツ」がおすすめです。
細かく切った大根を器に入れ、ひたひたになるまでハチミツを入れて1時間ほど置き、しみ出た汁を飲んでみてください。のどの炎症に効果絶大です。
せきがひどいときはギンナンを。中国では「白果」という名前の生薬としても知られ、せきを収斂(しゅうれん)して止めるという効能があります。喘息(ぜんそく)解消にも良いとされる優秀食材です。
さらに、のどのトラブルには辛いもの、スパイスが過剰に効いた刺激物の過剰摂取はご法度。辛いものを食べると、すぐにせき込んでしまうことからもわかるように、肺を刺激して乾燥させ、症状を悪化させてしまうので慎みましょう。
■のどトラブル改善薬膳レシピ
ハチミツ梨チーズ
肺に潤いを与えてのどのトラブルを改善する梨、チーズ、ハチミツを組み合わせた「のど飴レシピ」。梨をレアチーズケーキ風の味わいで楽しめる薬膳スイーツです。
【材料】
●梨 1個
●カッテージチーズ 大さじ2
●ハチミツ 大さじ2
●レモン汁 少々
【作り方】
梨は皮ごと1センチの輪切りにして、さらに1センチ幅の縦切りで棒状にしてから3等分に切る。ボウルに梨を入れて、カッテージチーズ、ハチミツ、レモン汁を加えて和える。
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