コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

スマホで血糖値管理できる「リブレLink」インスリン治療中なら保険適用

「FreeStyleリブレLink」/
「FreeStyleリブレLink」/(アボットジャパン提供)

 糖尿病の血糖管理のひとつの方法に、簡易血糖測定器を用いて自分で血糖値を測定する「血糖自己測定(SMBG)」がある。普及しているのは、自分の指先に針を刺して少量の血液を測定器に付けたチップ(測定電極)に染み込ませて血糖値を測る方法だ。

 血糖値を下げる注射薬を使っているインスリン療法中の患者の場合、低血糖を起こす恐れがあるのでSMBGによる血糖管理が保険適用になっている。しかし、測定のたびに指に針を刺さなくてはいけないので、継続が難しい人もいる。

 そこで医療機器メーカー「アボットジャパン」(東京都港区)は、2017年に「FreeStyle(フリースタイル)リブレ」(以下、リブレ)という新しいタイプの測定器を発売している。従来の測定器と何が違うのか。同社ダイアベティスケア事業部のキャロライン・ジョンソンGMが言う。

「医師の指導が必要ですが、リブレは指を針で刺す必要はなく、二の腕の部分に500円玉大の丸い薄いセンサーを貼り付けるように装着します。そして、センサーに専用リーダー(測定器本体)を服の上からでもかざすことで、その時点の測定値が表示され、少なくとも8時間に1回の測定で連続的なデータが記録できます。また、センサーは1回の装着で、最長14日間使用することが可能です」

 血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことだが、リブレは血糖値を直接測定しているわけではない。センサーの中心部に極細のフィラメント(糸状の短い針)があり、そこで毛細血管から染み出た間質液中のグルコース濃度を血糖値に換算している。リブレも高度管理医療機器として、インスリン治療中の使用が保険適用になっている。

 さらに今年2月から「FreeStyleリブレLink」というスマホアプリの提供(無料でダウンロード)が始まり、専用リーダーを使わずに自分のスマホで「起動」「読み取り」「測定値管理」などができるようになった。

「リブレは、クラウド上でデータを患者と医師が共有できる『リブレView』という管理システムとの連携が可能です。従来のリーダーでは専用のケーブルやパソコンでデータを自分でアップロードする必要がありました。それがリブレLinkでは連携すると、自動的にデータをアップロードしてくれます」

 リブレLinkを使用することで、海外では血糖値の目標範囲内時間が改善したという報告があるという。

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