「百日咳」は百日咳菌による感染症で、咳が治まるまで約100日間(3カ月程度)続く、ということから名付けられました。もともと小児に多い疾患で、ワクチン接種の普及によってその数は減ってきていたのですが、近年、乳幼児期に接種した予防接種の効果が弱まった成人の発症が問題になっています。
百日咳は7~10日程度の潜伏期間を経て発症します。風邪症状がみられ、徐々に咳が強くなっていきます。この時期は「カタル期(約2~3週間)」と呼ばれ、もっとも感染力が強いとされています。
その後、連続的な短い咳と息を吸うときにヒューと音のする発作が起こります。この時期を「痙咳期(約2~3週間)」といいます。激しい咳のために嘔吐を伴い無呼吸発作を引き起こすこともあり、注意が必要です。
そこから徐々に回復していきますが、中には数カ月にわたって症状が長引くケースもあります。治療には「エリスロマイシン」や「クラリスロマイシン」といったマクロライド系抗菌薬を一定期間服用します。
感染症別 正しいクスリの使い方