アメリカのコロナ感染者は10月中旬現在で1日約8万人、この数は1カ月前の半分以下で1日約20%ずつ減り続けています。国内の感染は収束に向かっているのか? それともこの冬また新たな波がやってくるのか? そんな疑問に答えるメディア記事も出始めています。
アメリカはこの夏、ワクチン拡充による「コロナからの独立」を宣言するはずだったのに反し、デルタ株による感染が急拡大、これまでの死者は70万人を超えています。
ニューヨーク・タイムズ紙は過去2年間を振り返り、国民がガードを緩めるたびに感染が再拡大したことを指摘。そして今回のように感染が急激に収束している理由を解明するのは困難で、未来の推測はさらに難しいと説明しています。
しかし、成人の約7割がワクチン接種を完了。11歳以下の子供たちへの接種も間もなく認可される見込みであるのと同時に、初めての経口薬の認可も近いことで、収束への希望が高まっているのは間違いないとしています。
一方、国立感染症研究所所長のファウチ博士はCNNに対し、「1日1万人以下にならなければ安心はできない」とコメント。これから気温が下がるとともに屋内での活動が増え感染が再拡大する懸念を伝えています。
リスクが高いのは現在新規感染の4分の1を占めている17歳以下の子供たちで、中でもまだワクチンが打てない11歳以下の予防手段がマスクしかないことも懸念材料としています。
またワクチン接種率も州によって差があり、接種率が低く感染率が高い州ほど学校でのマスクの義務付けがされていないことなども、今後再び感染が拡大するリスクになると考えられています。
そのワクチンですが、ファイザーに続きモデルナとジョンソン&ジョンソンのブースターショットも間もなく認可される見込みで、65歳以上と既往症を持つ人への接種が進むとみられています。
いずれにせよ、まだまだガードを緩める時期ではないというのが専門家の共通の認識です。
ニューヨークからお届けします。