役に立つオモシロ医学論文

自由に使える時間が多ければ幸せなのか 米専門誌で研究報告

写真はイメージ

 その結果、2つのデータのいずれにおいても、自由時間が増えると主観的な幸福度が増加したものの、ある時点を超えると幸福度はそれ以上に増加せず、むしろ低下するという関連性が認められました。「時間の使用実態調査」のデータからは、自由時間が1日に2時間を超えると、主観的な幸福度は横ばいとなり、5時間を超えると低下するという結果が得られています。

 自由時間があまりにも少ないことは、幸福を感じにくい大きな原因なのでしょう。しかし、自由時間の量が多いからといって強い幸福感が得られるわけでもなさそうです。

 論文著者らは「自由時間を生産的な活動に使うことで、幸福度の低下を軽減できるのではないか」と考察しています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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