被害者は異なった方向から聞こえてくる奇妙なこすれる音などの現象、幾人かは大きな耳鳴りや震えなどの感覚を経験したと証言している。こうした現象の持続時間は20秒から30分の範囲で、外交官たちが自宅やホテルの部屋にいる間、常に起こったという。
すでに米政府の外交活動に支障を来す事態も起きている。
たとえば、8月のハリス副大統領の東南アジア歴訪中、シンガポールからベトナムへの出発が3時間以上遅れた。原因は直前にハノイ駐在の米外交官がハバナ症候群の症状を訴えたからで、副大統領が予定通り訪問するかどうか検討していたからだという。9月のCIA長官のインド訪問では、随行員のひとりが類似の症状を訴えたこともわかっている。
このことについて、音響、あるいは電磁波兵器による意図的な攻撃を疑い、ロシアの関与を推測する見方があるが、決定的な証拠は見つかっていない。