そんな中、懸念されているのが「耐性菌」の問題。マクロライド系抗菌薬が効かない菌が非常に増えてきているのです。もともと効果があったはずの肺炎球菌の耐性状況は、欧米が20~30%であるのに対し日本では70~80%に上ります。肺炎マイコプラズマにおいても、日本では80%以上が耐性を示しているというデータも報告されています。
いまでもマクロライド系抗菌薬は、臨床現場では長引く咳に対してついつい出されていたり、漫然と処方が継続されている症例をよく見かけます。
しかし、マクロライド系抗菌薬だけでなく、同一の抗菌薬を長期間投与し続けることは、耐性菌が増加する原因になるケースもあります。感染性心内膜炎など抗菌薬の長期間投与が必要な特定の疾患以外の場合は注意が必要です。14日以上、長期に同じ抗菌薬が処方されている人は、その理由を医師や薬剤師に確認してみてください。
感染症別 正しいクスリの使い方