コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

排泄予測デバイス「DFree」 頻尿や尿漏れ不安のシニアに最適

「DFree」(トリプル・ダブリュー・ジャパン提供)
「DFree」(トリプル・ダブリュー・ジャパン提供)

 介護や障害などの理由で尿意を感じにくい人や、頻尿や尿漏れなどで外出時にトイレの不安を感じるシニア向けに、排尿のタイミングを知らせてくれる「DFree(ディー・フリー)」という排泄(はいせつ)予測デバイスがある。

 介護ロボット分野に該当するヘルスケア製品だ。2017年に介護施設向けサービスから開始し、これまでの出荷台数は累計約5000台。今年7月には、従来機種を大幅に小型化(51×36×17ミリ)・軽量化(26グラム)させ、検知感度も1.5倍向上した最新機種を発売している。

 どのようにして使うデバイスなのか。開発した超音波ウエアラブル機器メーカー「トリプル・ダブリュー・ジャパン」(東京都港区)の中西敦士代表取締役が言う。

「DFreeの使用時は、本体を恥骨から1~2センチほど上の位置に、装着用シートを使って肌の上から密着させて固定します。本体には4つの超音波センサーが内蔵されており、上下4方向に超音波が出る仕組みになっています。これによって膀胱(ぼうこう)の膨らみ具合を常時計測し、データ処理され、どれくらい尿がたまったかがアプリ上に表示されるのです」

尿のたまり具合をアプリで確認(トリプル・ダブリュー・ジャパン提供)
尿のたまり具合をアプリで確認(トリプル・ダブリュー・ジャパン提供)

 アプリで確認できるのは主に3つ。

①膀胱の膨らみの状態を1~10の数値で表示。また、時系列別(グラフ)で尿のたまり具合を確認することもできる。

②「そろそろ」や「でたかも」の通知が届き、トイレのタイミングを知らせてくれる。

③排尿記録をつけることができ、「排尿回数」や「尿のたまり具合の最大値」をグラフで振り返ることができる。

 これらのデータは、法人(介護・医療)向けでは複数人分を一括で管理することが可能。トイレ誘導やオムツ・パッド交換の空振り防止につながる。個人向けは、在宅介護や自身の外出時に活用することができる。

「導入効果の事例では、特別養護老人ホーム(特養)でトイレ排尿率が23.7%増加、スタッフの排泄関連業務が22.5%減少。リハビリ施設での失禁回数は46.8%減少しています。月1人当たりのオムツ代も、特養で平均6000円、在宅介護では平均1万円となり、半減できます」

 DFreeの価格は、法人向けは契約となり管理システムやネットワークの構築などを含め1台33万円(税込み)。個人向けは買い取りで1台4万9500円(同)。

 消耗品は、3~5回脱着できる装着用シートが6枚入りで1980円(同)から。本体に塗る超音波用ジェルは市販品でかまわない。

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