時間栄養学と旬の食材

コノシロはカルシウムの吸収がアップする夜に食べたい

コノシロ

 江戸前寿司に代表されるコハダ。コノシロの出世魚で、成長に応じて呼び名が変わります。関東では、5~6センチをシンコ(新子)、7~10センチをコハダ、12~14センチをナカズミ、それ以上をコノシロ(鰶、鮗)と呼び、関西ではコノシロの幼魚をツナシ(鯯)とも呼びます。

 コノシロの名前の由来は、人を焼く臭いに似ているといわれていた魚をひつぎに詰めて焼き、いけにえになるはずだった子供を救ったことから「子の代わり」=「子の代」と呼ぶようになった説、大量に取れることからご飯の代わりになるので「飯代魚(コノシロ)」と呼ぶようになった説など、諸説あります。

 また、酢漬けが多く、焼くことが少ないのは、独特の臭い以外に「この城」を焼くという表現を武士が忌み嫌ったからという話もあります。さらに、江戸の武士は「この城」を食うという表現も嫌がったので、多少大きくてもコハダと呼んで食べていたそうです。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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