新型コロナウイルスは感染者激減 このまま「インフルエンザ化」するのか?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 感染力にも違いがある。「1人の感染者が周囲の何人にうつすか」を数値化した基本再生産数を見ると、感染拡大が始まった頃の新型コロナは「2.2」、季節性インフルエンザは「1.3」といわれていた。この数値の差は今夏のデルタ株流行でさらに広がり、CDCは「デルタ株の感染力は水痘(基本再生産数8~12)並みに強い」との見解を発表している。うつす期間も2週間以上にわたる。

■経口治療薬も登場したが…

「ワクチンや治療薬が登場したとはいえ、空気感染力が強く致死率や重症化リスクが高い新型コロナは、安易に季節性インフルエンザと同じように扱うわけにはいかないのです。季節性インフルエンザに感染した場合、出勤停止など法律上の制限はありませんが、新型コロナにはまだ隔離や行動の制限が必要だと考えます。新型コロナに対するワクチンの効果は極めて高いことがはっきりしています。しかし、日本では国民の30%弱が未接種ですし、とりわけ20代の2回接種率は約57%と低い状況です。これから冬にかけて、寒さを避けるために換気の悪い場所での飲食や会合が増え、空気感染により、再び感染拡大してもおかしくありません」

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