一般的な心筋炎はほとんどが軽症で、なんとなくだるい、胸が痛い、軽い息切れがあるといった症状が出て、自然に軽快するケースが多いという。ただ、急性心筋炎が劇症型に移行すると、急激にショック状態になって死に至る場合もある。
「また、炎症が心膜に及ぶと心膜炎になったり、炎症が心臓全体に広がると心不全や不整脈を引き起こし、突然死を招く可能性があります。心筋炎が数カ月たっても軽快せず慢性化すると心臓が肥大拡張して心筋症につながるケースもあります」
■治療は薬物による対症療法が中心
軽症であれば、そのまま経過を観察して治癒を待つ。炎症が強い場合は、過剰な免疫反応と炎症を抑えるためにステロイドが投与されるケースもある。ステロイドを使う際は、炎症を引き起こしているウイルスの量がある程度減ってからでないと、逆に回復が遅れてしまうため注意が必要だという。