新型コロナワクチン副反応を徹底検証【血栓症】極めてまれだが重症が多く命の危険も

英アストラゼネカ社製のワクチン接種をする男性(ロンドン)/(C)ロイター

 日本では厚労省が7月30日、副反応疑い報告義務を課す症状として、TTS(血栓塞栓症を含む)を追加。10月22日に公表された資料によると、ファイザー社のワクチン接種後にTTS疑いとして製造販売業者から報告された事例は32件(8月3日~10月3日/推定接種回数5261万5841回)。同じくモデルナ社は2件(8月3日~10月3日/推定接種回数1721万4529回)、医療機関から報告されたアストラゼネカ社の事例は1件(8月3日~10月10日/推定接種回数5万5614回)だった。

 いずれも、専門家の評価は「γ」(情報不足等によりワクチンとの因果関係が評価できないもの)とされている。とはいえ、厚労省は「一般的に見られる下肢静脈等の血栓症と比べて頻度はまれと考えられていますが、注意深く情報収集が行われています」と注視している。

 なぜ、ワクチン接種後に血栓ができてTTSが起こる可能性があるのか。東邦大学医学部名誉教授で循環器専門医の東丸貴信氏は言う。

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