新型コロナワクチン副反応を徹底検証【血栓症】極めてまれだが重症が多く命の危険も

英アストラゼネカ社製のワクチン接種をする男性(ロンドン)/(C)ロイター

 TTSに対する治療は現時点でエビデンスが確立した方法はないが、欧米ではHITに準じた治療が有効である可能性が報告されているという。

「免疫グロブリン静脈療法と抗凝固療法です。前者は、ヒト免疫グロブリン製剤(IVIg製剤)を高容量投与する治療法で、体重1キロ当たり1グラムを2日間投与します。複合体に対する抗体が血小板を活性化するのを抑制するといわれています。抗凝固療法では、『DOAC(ドアック)』と呼ばれる直接作用型経口抗凝固薬が使われます。日本では、主に心房細動や静脈血栓塞栓症の治療で使われています。WHO(世界保健機関)の暫定ガイドラインでは、DOACの中でも活性化凝固第X因子(Xa)阻害薬が第1選択として提案されています」

 アストラゼネカ社のワクチンの添付文書では、接種後4~28日後に持続的な頭痛、霧視、錯乱、けいれん発作、息切れ、胸痛、下肢膨張、下肢痛、持続的な腹痛、接種部位以外の皮膚の内出血か点状出血などの症状に注意することが記載されている。

 ごくまれな副反応ではあるが、ファイザー社やモデルナ社も含め新型コロナワクチンを打った後にこうした症状が表れたら、すぐに医療機関で診てもらいたい。

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