Dr.中川 がんサバイバーの知恵

小倉智昭さんは後悔 セカンドオピニオンは放射線科医か腫瘍内科医に

小倉智昭さん(C)日刊ゲンダイ

 がん治療は、敗者復活戦のない一発勝負。最初の治療がとにかく重要です。自分で治療を調べることは大切ですが、疑問点などがあれば、別の医師にセカンドオピニオンを求めること。その医師は、別の病院の外科医ではなく、放射線科医か腫瘍内科医です。これを知らない方がとても多いので、ぜひ頭に入れておいてください。

 膀胱がんを全摘すると、人工膀胱を余儀なくされます。14年に亡くなった俳優菅原文太さん(享年81)も、それが嫌で全摘を拒否。実は私のところにセカンドオピニオンを求めに来られ、放射線と抗がん剤を選択されました。その結果、診断時に「半年から1年」と宣告された余命は、7年に大幅延長。生活の質を落とすことなく大往生されました。

 小倉さんも、適切なセカンドオピニオンを求めていたら、後悔せずに済んだかもしれません。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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