コロナ第6波に備える最新知識

新型コロナワクチン接種後死亡報告1359例…1カ月で104例増

新型コロナワクチンの接種を終え会場を出る女性
新型コロナワクチンの接種を終え会場を出る女性(C)日刊ゲンダイ

 日本でも、新型コロナワクチンの3回目接種や子供への接種が始まろうとしている。気をつけたいのは、政府や専門家が言っているのは3回目や子供への接種は可能であるということだけで、最終的に打つか打たないかを判断するのは本人であるということ。そのためには、より詳しい副反応情報が必要だ。

 12日に厚生労働省は厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(以下専門部会)を開催。収集した副反応のデータを基に接種と副反応との関連性を議論している。そこでの最新情報を頭に入れておきたい。

 予防接種開始(2月17日)から10月24日までに新型コロナワクチン接種後の死亡疑いとして報告された事例は1325件(ファイザー社製1279件、モデルナ社製46件)。その後11月5日までに34件(ファイザー社製28件、モデルナ社製6件)の報告があった。つまり、予防接種開始以来262日間に1359件(ファイザー社製1307件、モデルナ社製52件)の死亡が報告されたことになる。

 ちなみに前回の専門部会(10月3日)までに副反応疑いで死亡として報告された数は1255件(ファイザー社製1218件、モデルナ社製37件)。11月5日までの33日間に104件増えたことになる。この間、新型コロナ感染症が原因で亡くなったと報告された数は549件だった。

 10月24日までの死亡報告1325件のうち10代は3件、20代16人、30代21人だった。

 専門部会では10月24日までに報告された1325件の死亡とワクチン接種との関連についてα(ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの)、β(ワクチンと死亡との因果関係が認められないもの)、γ(情報不足等によりワクチンと死亡の因果関係が評価できないもの)と評価している。その結果は以下の通り。

▼ファイザー社製(α=0件、β=7件、γ=1272件)
▼モデルナ社製(α=0件、β=1件、γ=45件)


 また、10月24日までに死亡が報告されたファイザー社製1279件のうち65歳以上1111例に対して65歳未満は155例、記載なしは13例だった。症状の概要に記載されていた死因等は虚血性心疾患123例(うち65歳未満は19例)、心不全113例(同11例)、肺炎97例(同1例)、出血性脳卒中95例(同28例)、大動脈疾患55例(8例)、虚血性脳卒中53例(5例)、不整脈36例(13例)、敗血症36例(同3例)などが多かった。

■モデルナ社製「心筋炎関連事象死」は4例

 一方、モデルナ社製46例のうち65歳以上7例に対して65歳未満は38例、記載なしは1例だった。

 症状の概要に記載された死因等は出血性脳卒中9例(うち65歳未満7例)、虚血性心疾患8例(同6例)、心筋炎関連事象4例(4例)などとなっていて、心筋炎関連事象4例が目立つ。この4件はいずれも男性で年齢は24歳から45歳。接種回数は2人が2回目で、1回目、不明が各1人。接種から死亡に至るまでの期間は短い人で4日、長い人で37日、平均は約21日となる。

 仮にこの4件すべての心筋炎関連死がワクチン接種と関連があると仮定すると、かなり長期間に副反応が継続するということになる。

 なお、日本ではワクチン接種から何日までの死亡を、ワクチン接種による死亡疑いにするかについては①接種から1週間以内の死亡については医師が死亡と予防接種との関連性が高いと判断し、報告する可能性が高いと考えられること②米国の予防接種安全性システムで観察期間を21日として比較・検討されていることから、原則観察期間を7日及び21日とし、それを越えるケースも含めているという。

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