医者も知らない医学の新常識

メガネいらずは実現するか…老眼は緑内障薬で治療できる?

写真はイメージ

 命に関わる病気ではなくても、多くの人が治療を希望している病気があります。その代表のひとつは「老眼」です。誰でも加齢とともに体験する、近くのものが見えにくくなる症状です。

 目は遠くのものから近くのものまで、その距離によって見たいものに焦点を合わせるという便利な機能を持っています。カメラの絞りのような機能ですが、その働きは年齢とともに低下し、近くのものを見るのに老眼鏡が必要な状態になるのです。

 これは水晶体と呼ばれるカメラのレンズのような部分の柔らかさや、それを調節する筋肉の働きが、加齢によって低下することにより起こると考えられています。

 メガネ以外に治療がないと思われていた老眼ですが、古くからある目薬を使うことで、簡単にその症状が改善する可能性があることが、最近、臨床試験で確認されて話題になっています。その薬は緑内障という病気に使用される「ピロカルピン」です。

1 / 2 ページ

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

関連記事